03
午前中に少しだけ眠り、食べ物を口にする。
今日も相変わらず、生憎の雨だった。
「葵、出掛ける元気ある?」
「まあ……」
むしろ家でじっとしていたらどうにかなってしまいそうだ。
それにしても、こんな時にカカシさんから出掛けようだなんて珍しい。
「アカデミー?」
「ああ。木の葉の子供達が通ってる。
お!いたいた……葵、こっちだよ」
「?」
手招きされた方に行くと、優しそうな笑みを浮かべる男の人がいた。
「葵さん、久しぶりだね!私はうみのイルカです」
「イルカさん?」
可愛い名前だ。
「はたけ上忍に聞いたよ、子供が好きなんだってね」
「!」
もしかしてカカシさん、私が前に学校の先生になるのが夢って言ったのを覚えて……?
「ま、今日は休みで生徒はいないけど……教室だけでも見ていったらどう?」
「えっ良いんですか!?」
「もちろん!」
「わー、教室だ」
広さはあるものの、雰囲気は元の世界によく似てる。学校という場所が大好きな私は元気が出た。
「イルカさん……先生って楽しいですか?」
「ええ、とても!
まあナルトみたいなわんぱくも多いですし、苦労もありますが……生徒の成長を見届けるのは何より楽しみですしね」
「ふふ……イルカさん、目きらきらしてる」
「えぇ!?」
「まったく、どっちが年上なんだか」
「あ、あなたまで!!」
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