02
絶対何か聞いてくるであろうカカシさんに、先に言う。
「お願いカカシさん、何も……聞かないで欲しいの」
ぎゅっと膝の上で拳を握りしめる。
「それは…聞けない頼みだな」
「!」
一瞬でカカシさんが私の背中側に移動していた。
そのままそっと抱きしめられる。
「いつも言ってるでしょ……何かあったらすぐに言ってって。
それに…そんな泣きそうな顔して言わないでくれる?」
「カカシさ……」
涙が零れそうになるのを必死で堪えた。
(カカシさんだ……本物の…)
どうしよう…この優しさに甘えたくなっちゃう。
「じゃあ……ちょうど今から一日後、明日の朝まで待って」
「明日の朝?」
「うん……」
カカシさんはあまり良い顔をしなかったけど、最終的には渋々頷いてくれた。
「約束だぞ」
「……ん」
守れない事を約束するなんて、私は最低だ。
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