04
「……」
「おかしいよね……
いくらみんなが私を守るだとか、大切だとか、言ってくれたって……本当のこと、誰一人教えてくれないんだもん……」
だけど、それでもっ……
離れたくない……って思ってしまっていて。
あの人たちは温かすぎる。ずっと一緒に居たいって、そう願ってしまうの。
「本当のことを、教えてくれるだけで良かったのに……!!」
どんな自分でも、受け入れるから。
欲張りだって分かってる。でも私は、この里で、自分の居場所が欲しかったの。
そうしないと、なんだか自分の存在が消えてしまいそうで。
やっぱり私は所詮よそ者だったの……?
「……一日の猶予をやろう」
「……?」
黙って私の言葉に耳を傾けていた彼が口を開いた。
「明日、日が暮れてからここに来たら、真実を教えてやる」
「……!!」
思ってもいなかった発言に、涙が止まった。
「ただし……聞いても後悔しないのならな」
「後悔……?」
後悔なんか、しないはずなのに。
それとも何?
そんなに知ってはいけないこと?
「お前が、あの者達から離れたくないのなら……聞かないほうが良いだろう」
「……!!」
「じゃあな……」
最後の言葉を聞き、呆然と立ち尽くす。
雨は、まだ止まない。
20110413
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