03.低血圧
「……大丈夫か?」
「……(こくん)」
ものすごく低血圧な彼女は、毎朝寝起きが辛そうだ。それでも一生懸命起き出して、俺達のために朝食を作ってくれる彼女が可愛すぎる。
「!」
ふらふらとした足取りで包丁を持つ名前の肩に触れる。
「座ってていーよ。銀さんに貸しなさい」
「けど……」
「いいから」
彼女に代わってキッチンに立つと、後ろに気配を感じる。見ると名前が目を擦りながら立っていた。
「銀ちゃん、ありがと……」
ぴと
背中にくっつかれ、彼女の体温を感じる。
(やばいやばいやばい可愛すぎる!!)
低血圧は可哀相なのだが……この体勢に興奮しない男は、いないだろう。
温もりを感じる
((騒がしくなるまでの静かな朝、もう少しこうしていたい))
20110509
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