02.ため息


何度も鏡の中の自分とにらめっこして、ため息をついた。

「おい名前、さっきからため息ばっかついてどうしたんだよ?」

「うぅー……」

せっかくキバが家に遊びに来たっていうのに、申し訳ないとは思っている。だけど気になる。

「……ニキビ」

「え?」

「ニキビ出来た」

分けた前髪から覗く、ぽつんと出来たそれ。やだなあ、目立つ場所に出来ちゃったよ。

「んー?あ、ほんとだな」

「最悪……」

「そんくらい気にすんなって!あんまわかんねぇよ」

「分かるもん……!」

ニキビが出来た時の女の子の気持ちを、こいつは理解しているのだろうか。
とりあえずおでこを手で隠してみる。

「手退けろって」

「やだ」

「ほら」

男の子の力に叶うはずもなく、手を外させられた。

「わーんキバの馬鹿!」

「馬鹿ってんだよ!大体俺はな、」

「……!」

額に優しく何かが触れる。すぐにそれがキバの唇だと気付き、顔に熱が篭った。

「ニキビがあってもそんなとこ全部引っくるめて、お前が好きだっつーの!」

「キ、キバ…」
それは君が君だか

((いつの間に、そんな恥ずかしいセリフ吐くようになったの……?))
((愛故だ!))
((ばーか))





20110505

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