08.催眠術


私はカカシ先生の声が大好きだ。
別に先生に対して恋愛感情を抱いているわけじゃないんだけれど。あくまで声の話。
それは、この間の理科の小テストの結果が悪かったせいで受けている補習中でも変わらない。

「で、この抵抗率の値がこうなるから」

低くて、だけど優しくて落ち着くその声を聞いていると、だんだん眠たくなってくるというか……落ち着くなぁ。
「……て、名前、聞いてるの?」
「!」
カカシ先生はたいていの生徒を名前で呼ぶ。それは私も同じ。だけど、こんな至近距離で名前を呼ばれたら……!
「……酔いそう」
「は?」
「あっいや、その、だって好きだから!」
「(!)……好き?」
「先生の、声聴いてたら落ち着いて……安心するから。てなんか私変態みたい……」
「……」



((あまり大人をからかうんじゃありません、という先生の耳が赤かった事には気がつかなかった))



20110605

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