シカマル学パロ | ナノ


あれから、シカマルにぐいぐいと腕を引っ張られ、私は引きずられるように着いていく。一体どこまで行くんだろう、ああみんなのところに戻るのか、それにしても私はこんなところまで「ぽたっ」来てたんだ…… って、ぽたっ?


ザーーーーーーー


「!!」
「うわっ雨かよー……!」

何の前触れもなしに振りだした大雨。確かに入道雲はもくもくと美味しそうに膨らんでいたけれど、これってないんじゃないの?

「とりあえずあっち行くぞ!」
「えっけどそれ、ナルト達の方とは反対方向じゃ……」
「また風邪ひきたいのか?チィ、早く行くぜ」
「……」

砂浜のだいぶ端っこ、岩陰。ちょうど大きな分厚い岩が屋根みたいになっている小さな空間に辿り着いたため、私たちはそこに腰を下ろした。あまり広い空間ではないので、自然と体育座りになった。雨の音が強すぎて、周りの音が何も聞こえない。

「きついね……」
「あぁ」
「……」

この様子じゃあ、しばらく止みそうにない。

「……ねぇ」
「ん?」
「この間、私が熱出して倒れた時。運んでくれたの?」
「っは!?あ、あぁあれな……てか誰に聞いたんだよ」

何だか動揺しているみたいだけど、こっちだって恥ずかしいんだからね。倒れたところを運ばれるなんて。

「アスマ先生に」
「あー……なるほどな」
「あ……りがと、ね」
「お……お、おぅ…」

小さな声でお礼を言うと、シカマルからも小さな返事が返って来た。

「……お礼、言ってなかったから。それだけ」
「いや……」
「……」
「……」
「……くしゅん!」
「……お前、マジでまた風邪ひくのか」
「それはやだ」

でも、なかなか寒い。面倒な天気だ。もう、サクラ達がこんな天気でも泳ぐーって言い張るから。

「よし、こい」
「……は?」

妙な言葉と共に両手を広げるシカマル。

「体冷えんだろ。あっためてやるよ……て、変な意味じゃねぇよ!何疑いのまなざしを向けてんだ!」
「だってさっきも」

じとっと横眼で見ると、彼は珍しく焦ったようだった。

「あれはお前が変な奴らに絡まれてるからだろ!」
「あー……さっきも、その、ありがとね」
「……はー、もう」
「っ……!」

なかなか動かない私に痺れを切らしたのか、シカマルが横から私の体を両腕で抱きかかえた。

「ちょ、な…な……!!」
「うるせー!こうでもしねーと風邪がぶり返すだろーが!」

もう、怒りっぽいなぁ。と思いながらも、確かにこれは寒い。仕方なく、ぎこちなく彼の体に腕をまわした。

「堅っ……」
「そりゃ男だからな」

シカマルって見た目細いのに、やっぱり男の子なんだ、なんて実感。

「シカマル、温かいね」
「おー……」

何だか居心地の悪そうなシカマル。

「どうしたの?」
「オレ……もしかして地雷踏んだか?」
「え?温かいし平気だよ」
「……っ」







さあ、雨はいつ止むのやら。


20120308
冷静なヒロイン(笑)




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