シカマル学パロ | ナノ
「おおーっ!!海だってばよーっ!!」
「着替えるわよ!!ふん、まな板サクラなんてサスケ君の眼中にもないわねっ」
「んですってぇぇ!?」
目の前に広がるのは、キラキラ光る海、負けないくらい真っ青な空…ではなく。
今にも雨が振りだしそうな、どんよりと曇った空だった。
「サクラ、これ泳ぐにはちょっと寒くない…?」
「平気よ!それに、明日も泳ぐんだから!明日は天気予報大丈夫だったし」
「「じゃあ今日は良いのかよ…」」
ふと重なった声に横を見ると、同じようにこちらを向いたシカマルの顔。
「っ…」
何となく気まずくなり、顔を背ける。あからさますぎたかな…
「…オイ」
「なっナルト!!着替えてきなさい!!」
「おぉ、由利、お前ってばノリノリだなぁ!!よし、シカマル行くってばよ!」
「おい引っ張んなナルト!」
その後ろ姿を見つめ、ほっとしたのも束の間。両脇からがしっと体を固定される。
「あら〜、由利ちゃんが楽しんでくれてるみたいで良かったわ。では着替えましょうか?」
「おー、由利も泳ごーぜー!早く来いってばよ!」
「う、うん…」
サクラといのはサスケの元へまっしぐら。
キバは愛犬赤丸とじゃれてるし。
で、ナルトの横にいるのが、シカマルなんだけど…うーん。どうしたものか。
「由利、来いよ!」
「あ、キバ…て、きゃあ!く、くすぐった…あははっ、赤丸やめて!」
キバに名前を呼ばれたはずが、そこに迫っていたのは赤丸で。ペロペロと顔中を舐められ、くすぐったい。思わず砂浜に座り込んだのだが、水着の上に着ていたパーカーが汚れるため、私はそれを脱いだ。
「キバ。あんたこれが狙いだったの?」
「馬鹿言うなよ!
けど…お前、そんなに胸あったっけ…」
「最低!ていうか、いつの時代と比べてんのよ」
「由利とキバってよく一緒に風呂入ってんのか!?」
「ナルト!誤解を招くような…て、赤丸どこまで行くの!」
きゃんきゃん楽しそうに吠えながら、砂浜をとんどん走る赤丸。広いしいっぱい動けて楽しいのは分かるけどね、うん。ちょっと待とう。
「由利、後は頼んだ!」
「ハイハイ」
…非常に困った。
「姉ちゃん1人?なにしてんの?」
「いやあのだから、おっきくて白い犬を探してるんです。見てません?」
「犬なんてほっときゃ帰ってくるって。遊ぼーぜ」
うーわ、人選ミス。赤丸を見失ったから、咄嗟に近くにいた人に聞いたんだけど、こんなナンパ男だったとは。
「ちょっ…」
「良い体してるね〜」
二の腕を掴まれて鳥肌が立った。にやにやしながら男たちが上から私のどこに目線をやっているのかに気付き、前の出来事がフラッシュバックする。
「やめっ…やめて…」
「あーあ、彼女震えてるよ?可哀想に」
「大丈夫、痛いことは何もしないよ?」
「ひっ…」
「おいお前ら」
そこで聞こえたもう一つの声。
…助かった。
「由利、何してんだ。早くさっきの続き、するんだろ?」
私の顎を片手で持ち上げ、(無駄に)色っぽく笑うシカマル。
…待って、何かがおかしい。
「てなわけで、オレら続きやるんで。じゃ」
固まっている私を引きずるように、シカマルはその場からさっさと歩いていく。ちなみに、ナンパ男たちもぽかーんである。
……ええええええ!?
20120221
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