シカマル学パロ | ナノ
「おはよー」
「由利!体調はどうなの?」
「すっかり治ったよ、サクラありがとう」
久しぶりに熱なんか出したけど、土日の二日間休んだらすぐに全快。今日はテスト返しをして学年集会、午前中授業だ。そして夏休み前最後の学校ということで、心なしか皆がはしゃいで見えた。
「ね、この二日間空いてない?皆で海、行きましょうよ!」
「焼けたくない…」
「断るとは言わせないわ!来るのよ!メンバーだって決まってるんだからっ」
手帳を片手に話す、楽しそうないの。こういう強行突破が、なんともいのらしい。
「誰?」
「あんたでしょ、それに私にサクラ、サスケくん、ナルト、キバ、あとシカマルね」
「行かない」
踵を返そうとした私に、いのががしっと腕を掴んできた。
「ちょっと、高校生活最後の夏休み、海にも行かずどう過ごすのよあんたは!」
「んー、バイトでも探そっかなぁ」
「はぁ…青春しなさいよ、あんたも。それにシカマルとも仲直りする機会じゃない?」
「!」
動きを止めた私に追い討ちをかけるように、ずっと様子を見ていたサクラが口を挟んだ。
「何があったかよく分からないけど、二人きりなんかじゃないんだから。あんまり気にせず、普通にすればいいのよ」
ここまで言われると、仕方がない。
「分かった」
「やった!じゃあまた詳しいことはメールね」
「りょーかい」
あー、水着出さないとな。二年前から着ていない。
「そういえば…由利って意外と胸、あるわよね」
「うるさい」
「あ!アスマ先生」
「おー、由利か。お前が話しかけてくるなんて、珍しいな」
「あの…この間は、迷惑をかけたので」
「この間?」
首を捻る彼に、思い出してもらうために言う。
「ほら、テストの後私倒れちゃって…先生が家まで送ってくれたんじゃ」
言いながら、キバから結局答えを聞いていなかったことに気付く。アスマ先生じゃなかったのか?
「あー、あれな!あれ、シカマルだ」
「…へ」
ぽかんとした私に、先生がにやにやしながら言う。
「相変わらずのポーカーフェイスで、だがあれは焦ってたなー。こいつはオレが連れてくーとかなんとか。めんどくさがりのくせに、よくやるよな…
ん?家までって、お前らそういう仲なのか?」
「さよなら」
聞いていられなくなり、その場から足早に立ち去った。はやる心臓の音がうるさい。
シカマルが、私を家まで?わざわざ?何で…何で、そんなこと。
…あぁ、またややこしくなってきた。
あの人が絡むと、どうにも話がむずかしくなるよ…どうしよう。
20120210
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