シカマル学パロ | ナノ


それからゆっくり休む間もなくやってきたテスト期間。明日でテストは終わりだが、正直体は悲鳴をあげている。テスト勉強が云々…ではなく、この間から良くならない風邪のせいだ。今日、絶対熱ある…でも大事なテスト。めんどくさがりな私でも、さすがに休む気になれない。

「由利、英語わかんねぇから今日の夜、行っていいか?」
「キバか。どーぞ」

幼馴染みの彼には、勉強を教えるという機会は昔から少なくない。勉強出来ないからなぁ、キバは…運動神経はいいのに。残念だ。

「なんか今失礼なこと考えてなかったか?」
「別に(笑)」
「語尾笑ってんじやねーかよ!!」










「由利ってキバの前じゃ素なんだな」
「やだシカちゃん、親友のあたしにもあの子は素で接してくれるわよ」
「シカちゃん言うな」

無性にイライラする。が、それを止める術を知るはずもなく。

「テスト終わったらぱーっと打ち上げ行くわよ!その後は夏休みだしね!」

またうるさいこいつらと行くのか?たく、仕方ねぇな…めんどくせぇけど…
由利のやつは、こいつらについていけないんじゃないだろうか。

(…て、何あいつがいる前提で考えてるんだ、オレは)

あれから一度も話していない。胸のうちがすっきりしないのもそれからだ。









「キバ…だから時制を一致させるって、何回言えば分かるの…」
「オレは日本人なんだよ!んだよこれ、何で言い換えなんてしなきゃなんねぇんだよ」
「だから、これは過去の地点での話だから。willはwouldに…てこれ、今更やる範囲じゃないわよ」

思わず頭を抱える。ごろんと床に横になって、なんとなしに今日の出来事を思い出していた。

「いのとシカマルって、仲良いよね」
「ん?」
「や、二人ともなんか自然体だなって思って」
「…お前」

キバがプリントから顔を上げて、私の目をまじまじと見た。

「好きなのか?シカマルのこと」
「……へ」

好きって。私がシカマルを?いや、ないないないないないない。そういうのじゃない、と思うから。…うん。

「違うよ」
「…ならいいけどよ」
「え?」
「いや、こっちの話」

それから黙々とプリントの問題を始めたキバを見ているうちに、瞼が重くなっていくのを感じた。



「寝てんのか…?」

左肩に重みがかかったと思えば、すぐ横にある無防備な由利の顔。

「…またキスしちまうぞ。いーのかよ」
「……」

それに釣られて自分まで眠くなってきた。まだ、終わってねぇのに…まだ…






それから数時間後、二人はパニックに陥るのである。



20120121







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