シカマル学パロ | ナノ


「なんで分かったの?私があそこにいるって…」

夏でもそろそろ暗くなる時間、シカマルに送ってもらいながらそう聞いた。

「たまたま、聞いたんだよ。女子数名の話をな…それで全部分かったぜ。今までのことも、今回のこともな」

瞬時に状況を把握したシカマルは、その女子逹を問い詰め、色々した後に私を助けに来てくれたらしい。

「色々って…何したの?」

私がそう聞くと、彼は一瞬考えてからまあ、色々だ。と答えた。

「色々じゃ分かんないよ」
「気にすんな。とにかく今後こういうことはなくなるだろうよ」

この人…本当に何をしたんだろう?

「それにしても、心配かけやがって」

思わず俯く。私が勝手に無視して避けたあげく、結局助けてもらう形になったんだから。

「もう、一人で解決しようとすんなよ?オレが…ついてるだろうが。その、なんだ…友達なんだからよ」

その言葉が頭に響く。

「あと、あいつも…そろそろじゃねぇか?連絡したから」
「由利!」

なんのこと?と聞き返すよりも早く、前方から聞き慣れた声と足音。どんっという衝撃と共に、私はキバの力強い腕の中にいた。シカマルの連絡を受けて、家から飛んできてくれたらしい。

「由利…」
「キ、バ」

彼の腕が少し震えていた。

「心配かけてごめん…」

安心させるために、私も自分の腕をぎゅっと回した。

「もう、大丈夫だから」
「……」
「キバ?」

何も言わないキバは、しばらくしてようやく顔を上げた。そしてシカマルの方を睨んだ。

「シカマル、もう由利に近づくな」
「え?」
「由利がこんなになったのは、お前が原因なんだろ…分かってるなら」
「ちょっとキバ、やめてよ」

二人とも黙ってしまった。

「あぁ…悪かったな」
「え…?」

そのままシカマルは背を向けて歩き出してしまった。

「シカマルっ…」
「由利」

追いかけようとしたけど、キバに体を押さえられて敵わなかった。

「もう…危ない目にあってほしくねぇんだよ」

囁くように言ったキバの声があまりに切なげで、何も言えなくなってしまった。


20111217





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