シカマル学パロ | ナノ


「っ…」

体が痛い。どうやら変な体勢だったようだ。それにしても背中が温かい。

「由利?」
「シカマル…?」

後ろから抱き抱えるように床に座っていた。ここは、空き教室。そうだ、私――
思い出した途端に心臓が嫌な音を立てた。怖かった。今でも怖い。呼吸が自然と荒くなる。

「や、だ…はあ、はっ…」
「由利!?」

苦しいし、恐怖は晴れない。もしかしてこのまま死んじゃったりしたら、どうしよう。そんなことを考えていたら、口に何か被せられる。それが小さな袋と気付き、しばらくしてようやく落ち着いた。自然と涙が溢れ、シカマルがそれを拭ってくれた。

「悪い。もう少し、早かったら」
「そんなの…」

来てくれただけで、充分過ぎるくらいなのに。でも、どうしてシカマルがここにいるんだろう。その疑問は、また後で解決すれば良いか。

「シカマル」
「ん」

ただ安心したくて、目の前にある胸に顔を寄せて瞳を閉じた。さっきまでの奴らと一緒で、シカマルも男の人。だけど不思議な安心感がそこにはあった。他に話さなきゃいけないことや、聞きたいことはたくさんあったけど、今は何も考えずにこのままでいたい。許してくれるかな。少し不安に思って見上げると、ゆっくりと髪を撫でられる。そこで私は再び目を閉じた。

20111127





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