シカマル学パロ | ナノ
ひっくしゅん!
一発くしゃみをして、ぶるっと身震いする。あーあ、完璧に風邪ひいたよあいつらのせいで。
もうすぐ夏休みっていう暑い時期なのに、水かぶっただけで風邪か。まあ今日は涼しめだったから、運が悪かったというか。
今日は金曜日、この土日を越したらテストなのにな。
「早く帰ろ……」
そう思い、人気のない廊下を一人てくてくと歩き、空き教室の横を通った時のことだった。
グイッ
「なっ……!?」
突然教室のドアが開き、腕を乱暴に引っ張られ、中に連れ込まれた。訳が分からないうちに誰かが教室の鍵を閉めた音がする。
「……何、なの」
「神田さんだよなァ?」
目の前にいるのは、複数名のにやにやした頭の悪そうな男達。あぁ、またあいつらの差し金か、すぐに気付いた。だけど腕をしっかりと掴まれているため、いや、それ以上に足がすくんで動けなかった。
「神田さんってクールビューティー系だから、あんまり話したことなかったけどさ」
「美人だし、それに綺麗な体してるよなー」
なめ回すように全身を見られて、一気に鳥肌が立った。
(逃げ、ないと)
でもどうすれば良い?力では男には敵わない。鍵もかかっている。大声出さなきゃ、……駄目、声が、出ない。
「っ……!」
堅くひんやりした床に押し倒され、上に男が乗り、手足も別の男達に押さえられる。抵抗するレベルじゃない。びくともしない、どうしよう何も出来ない
「捕まえた」
にやり、笑うその顔と声に背筋が凍り付いた。
(助、けて)
20111109
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