シカマル学パロ | ナノ


翌日、朝。下駄箱から一人教室に向かって歩く。

昨日キバに言われた言葉が頭の中をぐるぐる回っていた。じゃあ、シカマルも私と仲直りしたいなんて思ってるのかな。けど何て切り出せば「バシャアアアン」……え

階段を登ろうとしたら、いかにもバケツから水をひっくり返しましたー、そんな音が聞こえたかと思えば、自分が濡れていた。ついでに最後にバケツ単体が落下。今チャイムが鳴るぎりぎりなので生憎他に人はいない。幸か不幸か。

「あはははっマヌケ!」
「奈良君に近付こうとするからよ」

その時チャイムが鳴り響いた。あーあ、遅刻か。

「……ほんっと子供。馬鹿じゃないの」
「……んですって?」
「子供だって言ってんの。付き合ってらんない、あんた達が同じ18歳だなんて信じたくない」

後ろ(上?)でぎゃあぎゃあ言ってたけど、とりあえず体操服に……あ、体操服も今ないや。保健室行ったら何かあったか聞かれて、それが担任の耳に入るだろう。そんな大事に発展するのはごめんだ。
……とりあえずトイレに行こう。









「由利は?」

そう言ったオレを、いのが強く睨み付けてきた。

「自分が避けるような真似しといて今更……あんたはもっと素直にならないとね。ま、由利もそれは同じだけど。あの子の性格は癖あるから掴むのは大変よー」

たった一言呟いただけなのに、余計なものがたくさん含まれた返事が返ってきた。

……だからオレも、素直になろうとしてんだろ。



20110909



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