シカマル学パロ | ナノ


「……」
「しっかりしろよ由利!腹くくれって」
「元を言えば、キバ、あんたが余計なこと言わなきゃ……」
「今更だっての!」

そう、色別対抗リレー出場選手の召集がかかったのであります。あーやだやだやだ、私無理やっぱり無理。これって思っていた以上に緊張する……!今まではただ見てるだけだったけど、実際走る人はいつもこんな感じなのか。


『色別対抗リレーに出場する選手は、入場してください』


「よっしゃ、行くぜ由利!……あ、そうそう、お前第一走者だからな」
「はあああああ!?聞いてないっ」
「いや、こないだ確認してた。聞いてなかった由利が悪い」

……帰っても良いかな。







まあ、まさか帰ることが許されるはずもなく、私はスタートラインに立つ。

「由利!お前は俺にバトン繋げりゃいーんだな、分かったな!」
「……キバ」

あの馬鹿。声でかいっての。
けどありがとね。

「位置について、よーい!」

そして、勢いよく前に飛び出した、次の瞬間だった。


「!!?」

ドン、と思いっきり身体を押された。走ったままの勢いで、私の身体は横に軽く吹っ飛び地面に叩きつけられた。

「ったぁ……」
「由利!?
……諦めんな!」

そのキバの声が耳に入り、我に返って立ち上がる。

「頑張れー!」
「負けんな!」

一足遅れたスタートを切った私に、応援組が声援をくれた。

「……キバっ!」

やっとの思いで走り切り、キバにバトンを繋いだ。走り終わった途端、腕と足の擦り傷、加えて腰に痛みが走った。
そこに手を当てながら、考える。さっきのは、明らかに事故じゃなくて……誰かが意図的にやったんだ。

「……由利!」
「え。……ひ、ぎゃ!」

突然ひょいっと背中に乗せられて視界が持ち上がり、バランスが取れない。咄嗟に目の前の背中につかまった。

「シカマル、私歩け「いいから。さっさと洗って消毒するぞ」

どうやらグラウンドの端の水道まで行くらしい。
そんなことより、いつになく怒ったようなシカマルの声音に戸惑った。



20110717



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