シカマル学パロ | ナノ
「え」
「はい決定ー!」
大きな音にぼんやりと顔を上げると、ぱちぱちと教室中に鳴り響く拍手。何故か全員が私を見ている。黒板を見ると、学級委員という文字の横に「神田由利」と書かれていた。
「は……?ちょ、意義あり!」
「あんたが寝てるのが悪いんでしょー?」
「うっ……」
いのの一言で言葉に詰まる。
4月のHR、毎年恒例の委員会決め。高三にもなると、立候補する人も減ってくるし、誰も委員会なんて面倒でやろうとしない。
私には関係ないものだと、居眠りをしていたのが仇となってしまったらしい。
「もう一人はシカマルだからねー、んじゃ頑張って」
担任のカカシ先生がそう言ったので、彼の視線を辿るとそこには机に突っ伏して寝ている男の子が。
確かに黒板を見ると、私の名前の横には「奈良シカマル」と書かれている。
「やだってばぁ…!」
「はいじゃー解散」
「そんな…!」
この薄情者…!いや、私が悪いのか、けど本人の承諾もなしに決定って酷くない?
相変わらず寝続けている男の子を見て、ため息をついた。
「ほんと馬鹿だなお前ー!」
「う、うるさいキバ!」
仲良く肩を並べて一緒に帰っているのは幼なじみの犬塚キバ。同じマンションに住んでいて、実は私たちは生まれる前から家族ぐるみの仲だ。幼稚園から今までずっと一緒だから、まるで家族みたいに仲良し。
たった今、今日のHRの時のことを笑われた。
「学級委員とか、1番やりたくなかったのに」
「しかももう一人シカマルだろ?あいつ面倒くさがりだから大変かもな」
奈良くんとは今年初めて同じクラスになったから、私はあまり知らなかった。キバは去年から同じなのだとか。
「私も面倒くさがりなのに、うちのクラス大丈夫?」
「さぁーな。ま、頑張れ!」
「もー、無責任なんだから!」へらへら笑いながら、逃げるように自分の部屋に入ってしまったキバにむすっとする。
私も自分の部屋へ帰り、ベッドに倒れ込んだ。
「学級委員とか…鬱になりそう」
高校三年間、自分がこんな面倒な役割をすることなんて絶対ないと思っていた。
しかも私、奈良くんと話したことないし。幸先不安だ。
「……寝よ」
とりあえず現実逃避をするように、一先ず私は寝て忘れることにした。
20110427
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