シカマル学パロ | ナノ


女子ってすごい。何しろ噂という噂を、一日もあれば十分、学校中に広げてしまうんだから。そしてとばっちりが来た。

「……こんなの本当にする人いるんだ」

体育祭を明日に控えた朝、いつも通り下駄箱を開けたら、そこではいつもならありえない現象が起きていた。

下駄箱から大量のラブレター……いや、それならまだいい。だって実際には、中にあったのは大量の画鋲だったのだから。

多分昨日の女の子達と、その子分の仕業だろうな。
とりあえず全ての画鋲をごみ箱に流し込んでおく。
一人で登校して良かった。心配かけたくないから、キバには知られたくない。もちろんシカマルにも。

教室に行くと、途端に突き刺さるような女子の目をいくつか感じた。

「サクラ、いの、おはよ」
「おはよ、由利……て大丈夫?何があったのよ。変な噂流れてるみたいだけど……」
「んー、めんどくさいしいいよほっといて」
「そんなシカマルみたいなこと言わないでよ!」

いのが笑いながらそう言った時、クラスの空気が心なしか固まった気がする。

「……あー、それ今は禁句かも」
「え?」
「よーっす由利」
「キバ」
「ちょっと聞いてよキバ、由利ってば「あー!何もないからさ」

声を上げたサクラの口を慌てて塞ぐ。

「なんかあったのか?」
「ないから。大丈夫」

言いながら席に着くと、机の中に紙切れが入っていることに気づく。周りに気付かれないようそれを開ける。

『昼休み、体育館裏で待ってます(ハートマーク)』

「うん……大丈夫だから、キバは気にしないで」

にっこり笑いながらそう言う。
手の中で紙切れがぐしゃりと音を立てた。



20110625



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