シカマル学パロ | ナノ


あれから少し日が経ち、今日は体育祭の予行練習。予行だから、全員参加の種目をちょこちょこっとやるだけ。だけど、委員会に入っている私は忙しかった。

「あー疲れた……ずっと走り回ってる気がする」

綱引きをしている生徒をぼーっと眺める。
太陽がじりじり。5月って暑いんだな、やっぱり。

「適当に出るより疲れたんじゃねぇの?」
「あ、シカマル」

同じように走り回っていたシカマルが私の隣に腰掛けた。

「けどよー……」
「ん?」
「お前、あんなに面倒くさがってたのに、結構頑張ってるよな」

くしゃくしゃと頭を撫でられた。……あれ、もしかして今のは、誉められたのか?

「〜あっわっ私そろそろ行くね!」
「おー」

慣れない事に少し顔が熱くなる。なんだか照れ臭くなったので私はその場を離れた。














無事予行は終わり、放課後。

えーと、なんだこれは。目の前で可愛い女の子が泣いている。そしてその子を庇うように両サイドに立ち、こちらを睨んでくる女子数名。

……私、何かした?

「ねえ、神田さんって奈良くんと付き合ってるの?」
「へ?シカマルは友達だけど」

すると女の子が声を上げて泣き出した。えええ!

「な、名前で呼び合ってるし……最近よく話してるし……さっきだって」
「あー、学級委員会だからなぁ。けどそんな関係じゃないよ?」
「じゃあ……協力、してくれる?」
「え」

つまり私に、シカマルとその子の仲を取り持て、と。
……面倒だなあ。

「あーごめん……私そういうの苦手だから」
「自分だけ仲良くしといて、それは酷くない!?」

突然切れだす友人A。いやいやだから仲良いって、恋愛的な意味じゃないから。それにめんどくさいから嫌って言わなかっただけましでしょ。

「ごめんね、頑張って。けど私は本当に何もないから」

さっさとその場から立ち去る。けれどこの私の行動が、更に面倒な事を引き起こす原因となってしまった。



20110612



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