シカマル学パロ | ナノ
「いっ……」
治療とは言え、ちょんちょんと傷口を突かれるたびにびくびくする体。
「お前、さぁ」
「んー?」
「シカマルと仲良くなったんだな」
あぁ、とさっきの事を思い出す。そもそもこの事故(?)はシカマルに手を振った後に起こったんだもんな。
「まあ、委員会とかで話すしね。普通に良い子だったよ」
「そーだな。ん、終わり」
最後に絆創膏を貼ってもらい、応急処置はおしまい。
「ありがと!」
「おう。あんまり時間ないし、急ぐぜ!」
「セーフっ!」
二人して教室のドアをがらがら!と開けたと同時に鳴り響くチャイムの音。ぎりぎりだ。教卓に座っているカカシ先生と目が合う。
「おー、良いところに。お二人さん、後で職員室ね」
(……ばれてるぅ!!)
二人乗りしていたことがばれたんだろう。全く今日は朝から踏んだり蹴ったりだ。
小さくため息をついて席につくと、カカシ先生が教室を出て行ったため話し声で騒がしくなった。
「よっす」
「!あ、シカマルおはよう」
「お前らさっき大丈夫だったか」
あー、見られてたもんなぁ。二人して派手に転んじゃったし。
「ちょっと擦りむいたけど大丈夫!」
「そうか、ていうかお前らさ」
「え?」
一瞬何か考えるようにしたシカマルは、いつも通りの表情で「やっぱいいわ」と言った。
「んん?気になるんだけど」
「気にすんなって、めんどくせぇ」
「それ口癖とは言え腹立つ!」
はは、と笑われ頬を膨らます。言うなら最後まで言ってよね。
このやり取りをキバがじっと見ていたなんて、ちっとも気がつかなかった。
20110525
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