シカマル学パロ | ナノ
「よーっす!起きろー!」
「ちょっと……乙女の寝込み襲わないでくれる?」
「だーれが襲うかよ」
朝から部屋に飛び込んで来たのはキバ。布団越しに乗られて重たい。昔から知ってるからって、お母さんってばキバに甘すぎる。
「何で来たの……?まだ時間に余裕あるじゃない」
こんな寝起きの顔、友達だと幼なじみ以外に見せられない。
「やー、うちの親昨日からいなくてよ、飯食ってこうと思って。おばちゃんにも了承済み」
「あっそ……」
別に、今日に始まったことではないから良いけど。
ハンガーにかかった制服を手に取る。
寝巻きに手をかけたところで、当然のように隣に座っているキバを見る。
「……着替えたいんだけど」
「チッ」
舌打ちしながら背中を向けるキバ。
「いやいやおかしいでしょ!」
手早く着替えて髪をとかす。
「由利の貧相な体がどのくらい成長したか、見ようと思ったのによ」
「日々成長してますー!ほらご飯食べに行くよ」
「へいへい」
ご飯を食べ終わり、二人で学校に向かう。
「あれっ今日キバ自転車?」
「おうよ!」
「乗せてって!」
「しゃーねーな。捕まってろよ!」
キバの後ろに跨がり、落ちないようにしっかり腰に手を回した。
「お前太った?」
「最低!」
「あーけど背中に当たるものはあるな」
「……変態。
あ、シカマルだ!シカマルー!」
少し遠くにいる彼に、キバの後ろから大きく手を振ると、シカマルは少し驚いているようだった。
「あれ、もしかして付き合ってるように見えるかな」
「!?」
「うわっ……あ、危な…!」
いきなりぐらついた運転。次の瞬間、自転車が勢いよく倒れた。
「痛…ちょ、どうしたのよキバ!」
「お前が変な事言うからだろ!……て、血出てんな」
「ほんとだ」
スカートのため足を出していた私は、膝を少し擦りむいたようだ。
「水で洗って消毒すんぞ」
「え!」
「ほら早く」
「ちょ、待ってってば、怪我人だから!」
実は消毒が苦手で嫌がる私の手を、キバが引っ張って行った。多分キバも分かってやってるんだろうけど。
20110509
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