04

そういうことか。どうりでこんな厳重に監視されているわけだ。
サスケもペンを動かしているのが見える辺り、きっと気づいたのだろう。

『よーし、書けよ』
(さっすが私の陽ちゃん!)
『……その呼び方はやめろ』

陽蓮には、誰とでも心を合わせられるという不思議な能力がある。
=心、頭を読むことが出来るのだとか。
私自身がそれを出来るわけではないけれど。でも、自分が出来たら怖い気がするから……それはそれで良かったのかもしれない。まあ、私が出来なくて、陽蓮が出来るっていうことが私が出来るってことなのかな、結局。


しばらく時間が経った後、十問目を出題するとの声がかかった。

「まず…お前らにはこの第十問目の試験を受けるか受けないか、のどちらかを選んでもらう!」

受けないを選べば、持ち点は0点。班のメンバーも道連れ。そして受けるを選び、正解出来なかった場合その者は、今後永久に中忍試験の受験資格を剥奪されてしまうらしい。

(陽蓮)
『大丈夫だ』

少し不安になるも、陽蓮がそう言うのなら私はそれを信じよう。
ちなみに、いくら心が読めると言っても陽蓮にも限界はある。私が実際にその力を使うのではないからよく分からないけど、なんでも分かるものと分からないものがあるんだって。というのは、未来のことは分からない。当たり前といえば、当たり前だ。

「!」

ナルトの手が、ゆっくりと挙がる。息を呑んでそれを見つめていると、ナルトはバンッと机を叩いた。

「なめんじゃねー!オレは逃げねーぞ!受けてやる!もし一生下忍になったって…意地でも火影になってやるから別にいいってばよ!怖くなんかねーぞ!」
「ナルト……」

やっぱりナルト、すごいよ。だって今のナルトの言葉で、他の受験生も心を固めた気がするから。人の心を動かす何かを持ってるんだなぁ。

「良い決意だ。では……ここに残った全員に……

第一の試験合格を申し渡す!」


20120322


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