03

どうやら彼は第一の試験の試験官らしい。その人は周りを見渡し、一瞬私の方を見て目を止めた。

(……?)

それもつかのま、言われた通りに席につき、説明を聞く。どうやら筆記試験らしい。ナルトが悲痛の叫びを上げている。
試験官の説明を聞くと、この試験は減点方式。合否はチームでの合計点、さらにカンニングをした場合にはその行為一回につき持ち点から2点ずつ減らされていくというものだった。

「不躾なカンニングなど行った者は自滅していくと心得てもらおう。仮にも中忍を目指す者。忍なら…立派な忍らしくすることだ」

立派な忍らしく、ねえ。

「そして最後のルール……この試験終了時までに持ち点を全て失ったもの…および正解数0だった者の所属する班は…、3名全て道連れ不合格とする!!」

瞬間、殺気と焦りが空気内をさまよったのが分かった。……ナルト大丈夫かな。

「試験時間は一時間だ。よし…始めろ!!」

いよいよ試験が始まった。とりあえず問題に目を流す。

……うん、普通に分からない。

こういうときは陽蓮に頼るべき。

(もしもーし陽蓮さん、起きてる?)
『困ってるのか?』
(私頭の切れは良い方だけど、こういう知識はないから。ねえ、誰とでも心を合わすことが出来るんでしょう?頭良さそうな人の回答盗んできてよ)
『お前……言うようになったな』

呆れたような返答が返ってくる。

(けどさ、そもそもこんな問題解ける人少ないんじゃない?あと、十問目の意味が分からないよね)
『確かにな。それより葵、もう少し周りに気を配れ』
(……?)
『お前以外にも、自分の能力を使ってカンニングくらい出来る連中はごまんといるはずだろ?』
(…あ、そっか、なるほどね)


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