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「すごい人数…」

目に飛び込んできた光景に、思わず素直な反応を口に出してしまっていた。
中忍は、小隊の隊長レベル。故にこの中忍試験はとても厳しい内容らしい、というくらいの知識は本を読んで知ったことだった。
実際に自分が受けたわけではないので、実態は分からないけれど。

「サスケくん、おっそーい!!」

見れば、サスケが髪の長い女の子に飛び付かれている。そして、それを必死に阻止するサクラ。

「サスケってば、ほんとーに女の子にモテモテなのねー」

思わずにやけながらそう言うと、顔を真っ赤にしてサスケは違うとか何とか叫んでいた。ちょっと面白い。

さらに後ろから声がかかった。

「何だよ。こんなめんどくせー試験お前らも受 けんのかよ。死ねよ!」

髪の毛を高い位置で縛っている男の子。それに、いかにもよく食べます!という雰囲気の男の子だ。

「あれ、君は?アカデミーは一緒じゃあ…なかったよね?」
「そいつは葵だ。なめてかかると痛い目に合うぜ」

一瞬、辺りが沈黙する。

「え…え?サスケ、もしかして私のこと認めてくれたの!?」
「誰も初めから認めてないなんて言ってっ…だぁ、お前まで抱きつくなややこしくなる…!!」

いきなりの自己紹介にびっくりしたけど、何だか拍子抜け。ずっと敵対視…まではいかないけど、イタチのことが引っ掛かってたから。改めて仲間だ、と言われた気がして嬉しい。

「ちょっと、葵でも許さない!!サスケくんから離れなさーい!!」
「あんたも私のライバル決定よ!!」

ぎゃーぎゃー騒いでいた私たちに、静かな声が降ってきた。私たちを注意してきた人は、カブトさんという名前だった。優しそうだけど、私は苦手かも…なんか、ちょっと。本能的に。

「君たちが忍者学校出たてホヤホヤの新人10 人だろ。かわいい顔してキャッキャッと騒いで…まったく」

彼がふと、私の方を向いた。

「君はこの子達と同期…では、なさそうだね」
「はぁ…三木葵です」
「…!!」
「…あの、カブトさん?」
「いや、何でもないよ。それより、かわいい後輩にちょっとだけ情 報をあげようかな。この認識札でね」

私の名前を聞いて、一瞬顔色を変えた。もしかしてこの人、何か知ってるんだろうか?


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