01
「カカシってば起こしてくれないなんてひどい!先にみんな行っちゃってるかな」
カカシは上忍だから先に行ったみたいなんだけど、私は少し寝坊して三人との待ち合わせ時間に間に合いそうにない。試験自体は遅れないとは思うんだけど……ていうか私、遅刻キャラが定着してきているような気がする。
走って走って辿り着いた会場。途中では目つきの悪い人達がたくさんいるし、おまけになぜか幻術までかかっている始末。なんだこれ。あっさりと幻術を解いて走る私を、あっけにとられて数人の男が見ていた。
「ボクとお付き合いしましょう!!死ぬまでアナタを守りますから!!」
「へ?」
飛び込んだ先には、何やら濃い男の子がサクラに熱烈な告白をかましていた。そしてサクラはそれを一蹴。ご愁傷様です……。
「葵じゃない!遅かったわね」
「ごめんごめん……」
サクラのこのいつも通りの様子を見れば、どうやら元気が出たみたいだ。
「お前は?見かけない顔だが」
見ると、見知らぬ男の子が二人と女の子が一人。
「名を聞く時は自分から名乗るべきでしょ?」
ちょっとからかうつもりで言うと、質問してきた男の子に睨まれた。何もかも見透かすような視線だ。
「日向ネジだ」
「僕はロック・リーといいます!」
「あたしはテンテン!」
「ネジ、リー、テンテンね。私は三木葵」
「三木……!?」
ネジが私の名前に過剰に反応した。
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