03

「はあ……あ、ここは……」

とりあえず辿り着いた甘味屋。そこは、昔よくサスケや、イタチと来ていたところだった。
久しぶりに足を運んでみようかと思ったが、はた、とその足を止める。

(今、こんなに人がいるところに真昼間からひょこひょこ現れたら……)

しかも今、一人だし。さっきのカカシ先生の言葉も引っ掛かり、中に入るのはやめにする。
仕方なく、人込みはさけてぶらぶらと歩き回ることにした。


「ここは……」

慰霊碑、だ。
サバイバル演習の時の事を思い出す。

……カカシ先生、ここに親友の名前が入ってるって言ってたな……。

何気なくそこに近付く。今日は風が強いようで、自分の髪を押さえながらゆっくりとしゃがみこみ、名前を見た。

こんなにたくさん……
お花とか、何か持ってこれば……良かったかな。

「え……」

ドクンと胸が高鳴った。

「『三木 小春』……『三木 海人』……?」

私と、同じ苗字の二人の名前が、並んでいる。
もし、かして―――――

「見つけた」
「ひぃっ!!」

カカシ先生……!
慌てて逃げようと試みるが、後ろからがっちり体をホールドされ敵わず、じたばた暴れる。何で来たの!?

「まさかここにいるとはねー……」
「わっ……悪い!?」
「誰もそんなこと言ってないでしょ。ここは、俺もよく来る場所だから」
「え……」
「朝早くから、ずっとここに立っていても……時間が足りないくらいだ。昔の馬鹿な自分を、ずっと戒めていたくなる」
「先生……」

思わず暴れるのを忘れて、その言葉を聞く。


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