05
「……葵、葵!!」
「……ん」
薄らと瞳を開ける。……眩しい。私、どうしたんだっけ……?
「カカシ先生!!葵が目を覚ましたわ……先生!早く!!」
どたばたと誰かが部屋を出て行く。
(サクラ?それに……いるの?カカシ先生)
どうやら私は布団に寝かされていたらしい。
次の瞬間、体に重いものが圧し掛かってきた。これは。
「……カカシ、せんせ」
「葵……!お前、あれから丸一日眠っていたんだぞ……!気分はど「みんなは!?サスケは……!?それに、再不斬や白「死んだよ」
「……」
「必死に生きた男だった」
その言葉だけで、十分だった。
「……先生、重い」
布団越しに乗りかかってきた先生。
「心配かけた罰」
「なんか……思ってたより、私って大変な体してるんだね」
「……」
「九尾のチャクラと、呼応したんだって」
「!!」
カカシ先生が目を見開く。
「それは、本当か……?」
「うん」
自分が、分からなくなった。我を忘れていた。
「まぁ、あれよね。……修行、しなきゃね」
「お前は……」
呆れたように、カカシ先生が笑う。それにつられて私もにっと笑った。
「葵!俺は決めたぞ」
「へ?何を?」
「……帰ったら、 」
「よーし!早く帰ってイルカ先生に任務終了祝いのラーメンおごってもらおーっと!それにさ!それにさ!木の葉丸にもオレの武勇伝きかせてやろ―――!!」
「じゃ 私は…ね!サスケ君、里に帰ったらデートしない?」
「いや、断る」
「そ…そんなぁ…」
「あのさ!あのさ!オレってばいいよ!」
「煩い!黙れ!ナルト!」
「あれ、葵は?」
「さっきカカシ先生が連れてったわよー。まだ完全回復してないみたいね……」
「……」
「ちょ、カカシ先生本気!?」
「本気も本気。これ以上目離しておけないからね」
「だ、だからって……何も一緒に住まなくたって」
「いつ、何が起きるか分からないでしょ?」
「……」
私にとって、この任務以上の大事件。
そう、このはたけカカシさん――私の家に住むと言い出した。
20110911
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