03
「くそっ!」
葵の奴、まともに浴びたか……普通の水なら平気だが、あの氷が溶けたものだとかなりの冷水だ……
まずいな。
「お前の相手はオレだろ。あの術が出た以上…あいつはもうダメだ」
「じゃあ…そろそろ行きますよ。ボクの本当のスピードをお見せしましょう」
「うぐぅっ!!」
(やばい、何とかしなきゃ……けど、体が動かない……!)
ガッ!!
ドパシャ!
その時、何者かによってクナイが弾かれる。
「え……?」
ボ――ン
「うずまきナルト!ただいま参上!!オレが来たからにはもう大丈夫だってばよ!物語の主人公ってのは大体こーゆーパターンで出て来てあっちゅーまにィー敵をやっつけるのだァー!」
「ナルト!?」
再不斬はニヤっと笑うとナルトに攻撃を仕掛けた。ナルトは応戦しようとクナイを構えるが――白がすべて千本で弾いた。
「!?」
「白……どういうつもりだ」
「……再不斬さんこの子はボクに………この戦いはボクの流儀でやらせて下さい」
「……手を出すなってことか…白。相変わらず甘いヤローだ…お前は…」
「あっちょっとナルト!?」
鏡の方へ真っ直ぐ飛び込んで行ったナルトを見つけ、慌てて後を追う。
結局私までこの中に入ってしまった。
「よっ!助けに来たぞ!」
「こっ…このウスラトンカチ!忍ならもっと慎重に動けェ!お前まで鏡の中に…くそ!もういいこのバカ!!
しかも葵まで、何してんだよ……」
「なンだァお前ェ!!せっかく助けに来てやったのにィ!!」
「ご、ごめんサスケ……私はナルトを止めようとして」
ドクン
「う、ぁ……!!」
「葵!?おい、しっかりしろ!」
「どーしたんだってばよ!!」
何だろうこの氷……特殊な能力、私の力と同じようなものだろうか。
どうも陽蓮のチャクラは、氷系には弱いらしい。体中が悲鳴を上げている。私の中の陽蓮が、叫んでいるんだ。
「だ……いじょうぶ、だから」
「何が大丈夫だよ!……おい!」
ごめん、サスケ、ちょっとだけ……ちょっとだけ、待って
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