04
……とくん、とくん
温かいなあ
誰だっけ、この温もりは
イタチ……?イタチなの?
……違う。
イタチじゃない。そうじゃなくって、温かい。イタチも温かかったけど……そうじゃない。
それでいて、なんだかとっても胸の辺りがぎゅうってするの。
おまけにすごく幸せな気持ちにもなって。変なの、何だろうこの気持ち。
「葵」
優しく名前を呼ばれた、気がする。
「大丈夫。何にも心配いらないから、ね」
その声、口調、体温。
自然に、本当に自然に、
好きだなあ……って思った。
まるで、そう思うことが当然だったかのように。
これが、愛しいという気持ち?
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