01
「え、写輪眼ってそんなに負担かかるの!?もう、しょうがないなあ」
はあー、と大きなため息をつく。
「葵……結構辛辣なのネ」
あの後すぐにカカシ先生は倒れてしまい、一週間は寝込まないといけないらしい。せっかく強くても、考えものだ。
その後、しばらく一人になりたくなったので部屋を出る。
「写輪眼……か」
思い出すのは、たった一人。
どうしてカカシ先生が写輪眼を持ってるんだろう……まさか実はうちは一族に?いや、それはない気がする。
自分の掌をじっと見つめる。
再不斬は強かったけど、きっとイタチはもっともっと強い。こんなところで負けていられない。このままじゃあ、駄目は。
「ギャーーーー!」
「!?」
突然叫び声が聞こえ、慌てて部屋へ戻る。見ると何やら切羽詰まった様子のカカシ先生が起きていた。
「ど……どうしたの?」
「どうしたんだってばよ!先生?」
「ん?ああ……………死体処理班ってのは殺した者の死体は直ぐその場で処理するものなんだ………」
へえ、そうなんだ……そういえば前に読んだ本にそんなことが書いてあったような。
「それが何なの?」
「解らないか?あの仮面の少年は再不斬の死体をどう処理した?」
「は?……知るわけないじゃない!だって死体はあのお面が持って帰ったのよ」
「そうだ…殺した証拠なら首だけ持ち帰れば事足りるのに…だ。それと問題は追い忍の少年が再不斬を殺したあの武器だ…」
「………まさか…」
「!!」
ピンと来た。すっごく嫌な予感。だけど同時に、
「あ――あ…そのまさかだな」
「再不斬は生きているってこと…?』
「ど―――ゆ―――こっだってばよ!?」
「カカシ先生再不斬が死んだのちゃんと確認したじゃない!!」
もしも生きているんなら……自分の力を出すチャンスがまた出来たって事だ。
「確かに確認はした…が、あれはおそらく…」
「仮死状態、か」
「そうだ。
あの追い忍が使った千本という武器は急所にでも当たらない限り殺生能力のかなり低い武器で……そもそもツボ治療などの医療にも用いられる代物だ。
別名死体処理班と呼ばれる追い忍は人体の構造を知り尽くしてる……おそらく人を仮死に至らしめることも容易なはず。
1、自分よりもかなり重いハズ
である再不斬の死体をわざわざ持って帰った……
2、殺生能力の低い千本という武器を使用した。この2点から導き出せるあの少年の目的は…
再不斬を"殺しに来たのではなく助けに来た"そう取れないこともない」
「………超考えすぎじゃないのか?追い忍は抜け忍を狩るもんじゃろ!」
「いや…クサイとあたりをつけたのなら出遅れる前に準備しておく…それも忍の鉄則!ま!再不斬が死んでるにせよ生きてるにせよガトーの手下にさらに強力な忍がいないとも限らん……」
見ると、震えながら喜んでいるナルトが目につく。
……同じことを考えているのは私だけじゃないってことか。
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