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おかしいと言われたって不思議じゃない

裏切られて、傷つけられたくせに、それでも彼のために強くなると決めたのだから

彼の本心かどうかさえ、分からないというのに



だけど、この時私の世界はあまりにちっぽけで、先なんか見ることはできなくて

他に頼りになる人はいなくて
信じられる人もいなくて


彼を恨むなんて出来なかった
誰かを憎むなんて怖かった
疑うことを恐れた
それは私が最も恐れるものだったから
手放すなんて出来やしない


あまりに色の少なかった私の世界では、その人が世界の中心にいた
その人はモノクロの私の世界に、少しずつ色を足していってくれたの



私の、全てだった――



20110607


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