03

「うひょう!デッケー!」
「こ…こら!静かにしてくれ!ガトーに見つかったら大変なことになる…!」
「ガトー?」

首を傾げていると、タズナさんが説明を始める。

「実はわしは…超恐ろしい男に命を狙われている……」

その恐ろしい男の名が、ガトーだった。ガトーカンパニーのトップであり、世界有数のお金持ちと言われている。波の国を乗っ取り、物流を遮断して富を独占し国を貧困に追い込んだのだという。
そのガトーにとって邪魔な存在、つまりタズナさんは狙われている。さっきの忍がガトーの手下なのだそうだ。

「ゆ、許せない!最低……!」

思わず口から洩れる言葉。どんな奴だか知らないけど、人の幸福を踏みにじるようなやつが大っ嫌いだ。それも国を乗っ取るだなんて……。
そんなことを考えていた時、突然背中に冷たいものが走り抜けた。

(!)

「全員伏せろ!!」

カカシ先生の鋭い声に咄嗟に地面に伏せると、ちょうど今私たちが立っていた辺りに大きな首斬り包丁が旋回した。

(危な……)

「へーえ。こりゃこりゃ霧隠れの抜け忍、桃地再不斬君じゃあないですか」

「!(抜け忍……)」

抜け忍という言葉にぴくっと反応する。
辺りは緊迫した空気に包まれ、霧も漂っていた。


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