04
「葵!」
みんな帰ってしまったと思っていたのだが、サスケが残っていたらしい。
「サスケ……」
いざ二人きりになると、何と言ったら良いか分からずに俯いた。
「久しぶり……だな」
「うん……」
どうしても、あの時のことを鮮明に思い出してしまうから。
「無事だったみたいで、良かった……それよりサスケ、本当に……殺すの?
……イタチを」
久しぶりに彼の名前を口にすると、それだけで胸が痛んだ。
「お前、あの時……最後に何かあいつと話していなかったか?」
「!」
逆に質問で返されて戸惑う。あの時サスケの意識は全く無かったと思っていた……けれど。
「……別に何も」
「嘘つけ!何か話していただろう……何を話していたんだ」
「……」
しばらくじっと二人して睨みあった。
「ごめん……疲れてるから」
「葵!」
耐えられなくなって、サスケを残しその場から走って立ち去った。
――ごめん。まだ、その時のことを話すほど傷は癒えちゃいないみたい。
別に責めるわけではないけれど、サスケに会ったことにより、あの時のことを思い出してしまって辛い。
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