04
「他の奴ら全然ダメだったわ。
お前は?」
「……舐めないでください」
「上等」
手裏剣を一気に複数個投げるが軽くすべてかわされる。
「眩!」
両掌をぱっと広げ、相手の方へ向けるとそこから眩い光が飛び出した。
「!?」
カカシ先生が光の強さに耐えられずに目を瞑ったのを確認して、彼の懐に飛び込んだ。
チリンと手が指をかすめる。と同時に、一気に周りの光が消えた。
「え!? ―――うっ!!」
今まで目の前に居た彼は消え、逆に思いっきり前に飛び込んだ私は地面に衝突し、後ろから馬乗りにされた。
(分身だったか……)
「さすがだな」
「どいて!」
すかさず印を組もうとするが、上か乗られているため上手く動けない。その上うつぶせになっているから尚更だ。
「っく……でも、私だけがここで勝ったって意味ないか」
「何?」
私の一言でカカシ先生が反応する。
「仲間割れするようなテストするなんて、性質悪いですねー先生」
「!気付いたのか」
「とーっくに!けど、他のメンバーみんな見つからなくて……はあ」
ジリリリリリリリ
「あぁ!時間……」
「いいよ、お前このテストの意味が分かったんだから」
「けどけど!悔しい……!」
あの時もう少し早く気付いていれば、鈴を取れたかもしれないのに。だけど上忍の前ではこれが実力か。自分の非力さに唇を噛んだ。
もっともっと、強くならなきゃいけないのに……!
一人考え込む葵の様子を、カカシはじっと見つめていた。
「絶対絶対、カカシ先生なんかより強くなってやるんだから!」
「……はいはい。じゃ、戻るよ」
20110702
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