03
パシッ
見るとナルトがカカシ先生に向かって走って行った。
――ピタ
「そう慌てんなよ、まだスタートは言ってないだろ」
カカシ先生が見事なスピードで動いていた。
(速い)
さすが上忍。腕は確かなようだ。
だけど負けてられない、こんなところで!
「でも、ま…俺を殺るつもりで来る気になったようだな…やっと俺を認めてくれたかな?ククク…なんだかな、やっとお前らを好きになれそうだ…じゃあ始めるぞ!よーい…スタート!」
とりあえず身を隠す。みんなの様子を見てから動こうと決めたからだ。ところが。
「いざ尋常に勝〜負!」
(……駄目だこりゃ。サスケとサクラ探そうっと)
しばらく気配を殺しながら仲間の姿を探す。が、一向に見つからない。上手くすれ違っているのだろうか。
「はあ……」
大きな木にもたれかかり、一息つく。次の瞬間、私はそこから飛びのいた。
「やるね」
私がついさっきまで立っていたところに、手裏剣が突き刺さっている。見ればカカシ先生が木の上から飛び降りてきた。
「……今の当たってたら、相当やばかったような…」
「いやー、葵なら避けてくれるだろうと思って」
「どういう意味?」
この人、一体どこまで知っているんだろう。
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