01

私は焦っていた。

(何で!?何で起きられないの!?)

一人で修行してた時……は、まあ確かに朝はのんびりしてたけど、今日に限ってまた寝坊するなんて。いや、今日に限らず昨日も寝坊したけど!

「あ!あれは……」

少し前に見える背中に目を疑う。だって、あれは。

「カ…カカシ先生!?」

私の声に振り向いたのは、やっぱり彼。

「おー、おはよう。また寝坊?」

「人の事言えないでしょ!」

先生、多分昨日も遅刻したな。人のこと散々言っておいたくせに!
それにしても二時間近く遅れてるってのに、なんでこんなにマイペース何だろうこの人は。
なんだか疲れた私は、先生横に肩を並べた。するとじっと横顔を見つめられる。

「な、何ですか……?」

「んー、ずいぶん大人っぽくなったね」

その気になる言い方に、疑問が湧いた。

「……カカシ先生、昔の私のこと……知ってるの?」

そう聞くと、彼はじっと遠くを見つめて言った。

「あぁ、知っているよ」

「……それって、いつくらいの時?」

するとぽんと頭に手を乗せられた。

「葵は、見た目大人っぽいわりに子供な一面あるよね。寝坊とか」

「!だからそれは先生もでっ……」

「「おっそーい!!」」

「!」


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