03

「それで、自己紹介ってどんなことを言えば良いの?」

ピンク色の髪をした女の子が尋ねる。

「…そりゃあ好きなもの嫌いなもの…将来の夢とか趣味とか…ま!そんなのだ」

「あのさ!あのさ!それより先に先生、自分のこと紹介してくれよ!」

今度は金色の髪をした元気いっぱいの男の子だ。その言葉にはさっきの女の子も賛成する。私も賛成だ、見た目が怪しすぎる。

「あ…俺か?俺は、はたけカカシって名前だ。好き嫌いをお前らに教える気はない!将来の夢…って言われてもなぁ…ま!趣味は色々だ……」

「(結局名前しか言ってないし)」

よく分かんないなー、この人ってば。

「じゃあ次はお前らだ」

まず初めに自己紹介を始めたのは、あの元気いっぱいな男の子。その子には悪いけど、私にはサスケが気になって仕方がなかった。

「…将来の夢は 火影を超す!ンでもって里の奴ら全員に俺の存在を認めさせてやるんだ!」

「……!」

最後の言葉につい反応してしまった。
認めさせたい、か……私のことを認めてくれる人間は今、里にいるのだろうか?

「次!」

いよいよサスケの番。固唾を呑んで見守る。

「名はうちはサスケ。嫌いな物ならたくさんあるが好きな物は別にない。それから…夢なんて言葉で終わらす気はないが野望はある!一族の復興とある男を必ず……殺すことだ」

「!」

ぎゅっと拳を握りしめる。今のは、きっと―――
ちらりとサスケを見ると、目が合ったがすぐに逸らされた。

「私は春野サクラ」

「サクラ!?可愛い名前だねー!」

「えっ」

ずっと黙っていた私がいきなり言葉を発したため、サクラは少したじろいでしまった。

「あ、ごめんごめん……サクラっていう名前、好きでさ。女の子らしくて」

少し照れたように笑って、彼女は続けた。

「好きなものはぁ…ってゆーかあ好きな人は…えーとぉ…将来の夢も言っちゃおうかなぁ… キャー!」

ちらちらとサスケを見ながら話すサクラを見て、納得する。サスケのことが好きなんだな、この子。サスケも女の子に惚れられるなんて、成長したもんだなあ。と年寄りじみたことを考えてしまった。

「嫌いなものはナルトです!」

(どんまいナルト)

サクラってば容赦ない。


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