>> 屋上にてサスケと2人で授業をサボってみる

「んー!気持ちーねー!」

「……」



屋上にて、ふわりと心地よい風が頬を撫でる。さっきまで乗り気じゃなかったが、たまにはこんなふうに授業をサボってみるのも悪くないと思った

此処から見える空はこんなにも青かったのか、なんて少しだけ感動する。隣で伸びをしている名前に気付かれないように、俺も小さく笑みを溢した



「サスケは真面目すぎなんだよ!たまには息抜きもしないとね」

「…お前は息抜きし過ぎだろ」

「そっ、そんなことないよ!」

「フン」



ぷく、と頬を膨らませて睨んでくるそいつがなんだか愛しかった。名前と付き合ってからもうすぐ2年になる。明るくて、バカだけど優しくて、こいつは変わらない。俺が好きになった名前のまま、ずっと傍にいてくれた

想いが募り、堪らず名前を自分の胸に閉じ込める。ぎゅっと抱き締める腕に力を込めれば、不思議そうに俺を見上げる彼女。目が合うと、にこりと微笑まれる



「今日は甘えん坊さんなの?」

「……フン」

「ふふ、あったかい」



そう、俺の胸に顔を埋める名前に柄にもなくときめいた。きゅーと狭くなる心臓に眉を寄せる。顔に熱が集中していくのが分かった。俺は多分相当、きっと自分が思っている以上にこいつに惚れてるんだろうな



「、……好きだ」

「うん。私も、だいすき!」

「っ、…」

「あはは!頬っぺたピンクだよサスケ。かーわいーねえ」

「うるせェ」



悪戯っぽく笑って俺の頬に手を伸ばす名前が思いの外可愛くてまた顔が熱くなった。それを隠すように抱き締める力をまた強める。うぶ、なんて色気のない声を出す名前。だが離す気はない



「苦しいよ…」

「もう少し、な?」

「じゃ、あと5分ね」

「バーカ、俺の気が済むまでだ」

「えー!何それ!」

「嬉しいだろ?」

「 っ 」



言葉に詰まったところを見ると、おそらく図星なんだろう。赤くなっている耳に触れればぴくりと反応をみせた

ああ、可愛いな、なんて
こんな俺は末期だろうか



( 名前、愛してる )



言い慣れていないその言葉は、まだ早いと胸の奥にしまい込んだ。瞬間、強い風が吹いて俺と名前の髪を揺らす



「わ、す、スカートが!」

「誰も見ねェよ」

「サスケ見るでしょ!」

「見慣れてるし別にいいだろ」

「〜〜っ、ば、ばばか!」



スカートを押さえる為か俺から離れた名前が気に食わなくてまた抱き締める。逃げないよう、腕を掴んで。折角2人きりなんだ。俺以外のことなんて考えられなくしてやりたい



「…よそ見すんなよ」



耳元で囁けば沸騰しるんじゃないかというくらい赤くなった名前の顔

してやったりと口元を緩め、その桃色の唇に自分のを重ねた





( 幸せな50分間 )
20110626

サイト名:おほしさまの涙
しろ様より頂きました……!
もうきゅんきゅんです。甘えたさんなサスケくんに…!思わずにやにやしながら読んでしまいます…
ありがとうございました。10万打おめでとうございます。

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