創造グループ | ナノ


▽ プロローグ


始まりは小さな願いからだった。
この世界は願いを叶える光で支えられている。創造の王、彼らはその光を守る誇り高き王である。人々は光から英知を、幸福を、安らぎを、加護を受け今日を生きていく。

その光が、この世界が、誰かの創造でできた絵空物語だとも知らず今日も生きていく。
あの時の思いも行動も選択も創られたもの。今までにあったこと全てが紛い物。何不自由ない誰も悲しまない世界。誰かが一人にならないように創られた物語。これからも絵空物語になぞられて幸せに暮らすはずだった。

「創造の王の誰かが願いを叶えた。」

永く積み重ねた願いは世界を闇へと蝕み狂わしていく。人は欲へ溺れ、光を求める。物語は意味を成さず。創造の王も偶像へと成り果てた。絶望に落とされた人は何処へ行くのか。彼らはなにを願うか。

絶望の中またひとり願いを叶えた。

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