野次馬に紛れて遠巻きにデルビルを捜したけど、結局見つけられずに時間だけが過ぎていった。どうやら火事の原因はデルビルではないらしい。僕はほっとしたが、直ぐに頭を切り替えることにした。そう遠くへは行ってないはず。ここで諦めたら二度と出会えないかもしれない。一旦仲間達にデルビルを見かけた、とメールを送信しておいた。

二時間近く周囲を駆け回り、漸く見つけることができた。小さな公園だった。灯りはなく、長年放置されたのか雑草だらけ。滑り台?と思われる公園唯一の遊具の下にデルビルはいた。すかさず携帯で写真を撮り、位置の情報と共に仲間達へ送信する。デルビルは僕を見つけると小さな咳を一つし、唸りだした。同時に僕はいつも持ち歩いているモンスターボールに手を伸ばす。

ここで二つ大きな問題がある。一つ目に僕にはみんなと違って、トレーナー経験がないということ。そして二つ目。当然、このボールがただの空のボールでしかないということ。
ここで足止め程度でも頑張っておかないと、またいつ出会えるのかわからない。仲間が来るのが先か、デルビルを見失うのが先か…。

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