「ここに居座りたいなら〜素性をはっきりしないと〜信用できませんよ〜」
「ナバナ!」
「…へあっ!?」
「ナバナだ!見ての通りアギルダーだよ。あのさー実はさー色々思い出せないんだよね。ほらここ!頭も思いっきりぶん殴られたみたいでさ、見てよ腫れてんの、やばいよね。たぶんそん時記憶もぶっ飛んでんだよね!」
「マタ、彼女目が覚めた時からこんな感じだ」
「はぁ…」
「いやー参ったねこりゃ!だからあたしもここしか頼れないわけ!頼むよーお願いします!ここで働かせてくださいっ!」
「う、うん」
「さんきう!」

ああ〜!流れで認めてしまったぁ〜!しっかりしなきゃって意気込んだ瞬間これだ。…親方がいた時は、親方が話を聞いて、じっくり悩んで、それから物事を決めていたのに!僕としたことが!…うう。

「え?何?ギルドのメンバー増えて嬉し泣き?そりゃあよかった!なぁせんせ!」
「ま、まぁ…いつもメンバー不足に悩まされていたしな…。マタ、大丈夫かい?」
「…僕が…しっかりしないと…」
「大丈夫大丈夫!ナバナちゃん実力はあるからさ!…足もなんとかするさ。な?」

アギルダー…ナバナはここで住み込みで働くことになった。そうだなぁ。うちには料理人がいないから、そこを任せるのはどうだろう。それとも僕がやっている受付を任せようか。…あんな様子でできるのかな。他にできそうな仕事は…ああ…どうしようかなぁ…悩むなぁ…ああああああああああああ!!




そうこう勝手に悩んでいる内に外が明るくなっていた。なんだこれ。僕今まで何をしてました?ええと、なんだっけ?

「マタさん。目開いてますよ」
「…!しまった…め、目がぁ〜!!」
「昨日の…」
「うう…」
「昨日の子…」
「…わっ!レモニカ〜!いつからここに〜?!」
「さ、さっきからずっと…」
「…申し訳ない〜!」
「ねぇ、あの子…」
「ああ…ナバナのことだね〜…大丈夫〜ここで働くことになったから〜」
「ほんと?!よかったねー!もう知らない誰かさんじゃないね!」
「あは…あははは…はぁ」

不安だ。不安だけど。僕がしっかりしなきゃ。…でもやっぱりイダテにも相談しよ。そうしよう。そうしよう。

レモニカが新たな依頼を解決すべくギルドを出て行った。…もしナバナが悪い奴だったらどうするつもりだったのだろうか。それとも、レモニカはまだ何か…話していないことがあるのだろうか。…今思えばそうだ。レモニカがテキトーな判断で行動することはない。はず。帰ってきてすぐ依頼も見ていた。…。もう少しレモニカから話を聞き出すことにしよう。慌てるのはそれからだ。

ーーーーーーーおわり

ナバナちゃんがギルドに担がれてきた日の話でした。


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