「誰かっ!手を貸して!」

とろけた夕陽を背に、レモニカが帰ってきた。泥と枯葉を抱きかかえ、可愛い顔も台無しにして帰ってきた。ギルドの仲間達が慌てて駆け寄ると、レモニカはそっとそれを降ろした。泥と枯葉に見えた、誰かを。

「な、なんだこりゃぁ」
「まだ生きてる。早く手当を!」
「レモニカ…君の手当も…」
「私は彼女を運ぶ為に全ての道具を自分に使いましたので!」

彼女、ということはメスなのか。レモニカは救助者がギルドの奥、医務室へ運ばれて行くのを見守ると、カウンターの僕の元へ向かってくる。

「マタさん!依頼入っていませんか!」
「ええ〜!あなた〜帰ってきたばかりでしょ〜!」
「い、いえ、見るだけです!…少々気になることがありまして…」

恐らく先程の救助者の件だろう。レモニカは元々救助者探しをしていたわけではない。彼女が受けた依頼はアイテムを探す事だった筈だ。

「見つかったんですか〜?あれは〜」
「はい!見つかったんです!既に届けてあります!」
「流石…」

仕事が早い。まったく。僕らに引き止める理由を与えない。僕は今入っている依頼書をカウンターに広げる。あまり件数はない。それに捜索や救助の依頼もない。

「ないかぁ…彼女は何者なんだろう…」
「レモニカ〜。よくわかんないのに〜助けたの〜?」
「はい!酷い目にあっていたので!」
「酷い目?」
「…集団リンチです」
「…へ?」


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