「…はぁー…」

そこは敗者達の集うポケモンセンター。様々な思いを秘めて賑わう敗者達。大切な相棒達の回復を待ちながら、彼らは反省と次回への意気込みを語り合う。勿論全ての敗者がこうも前向きなわけではなく、部屋の隅で腕組みをしている者や、項垂れてベンチに腰掛けている者もいる。中央にある巨大な観葉植物の横に突っ立っている彼女もまた、前向きにはなれなかった敗者の一人だった。

(…これが本気のバトルなんだよね…みんな勝利に貪欲だよー怖いよー…。うう…まだ胸がドキドキするよ…)

赤色の帽子をかぶっている彼女、カプリは初戦敗退。緊張のあまり口が回らず、反撃する間も無くあっさり負けてしまったトレーナーだ。予選前から真っ赤だった顔が未だに治らず、ため息を繰り返しながら落ち着かない胸の鼓動をなんとか宥めようとしていた。

「やぁ」

そんな彼女に近付く誰か。

「あ、あれぇ?ユイさん!?」
「僕も負けちゃった」

それはカプリの最初で最後の対戦相手、白い帽子に長い白金髪の少女、ユイだった。



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