「殺す」
「どこでそんな物騒な言葉覚えたのー！！？」
「…ニンゲンがしゃべってた。」
「ニンゲンさんが…？…そっかぁ…仕方ないよね…」
「ニンゲン殺せば、お前も俺もここからでて"しやわせ"になれる。だから殺す。」
「だーめー！だからそんな物騒な言葉使っちゃだめー！ニンゲンさんは何も悪くないよー！」
「悪い。殺す。」
「悪くないー！」
「何故庇う。俺達は遊ばれてるだけだぞ。…弄ばれてるだけだぞ。」
「うんうん。むつかしい言葉も覚えたんだねぇ。」
「キイロ。俺はニンゲンは敵だと思っている。キイロが苦しいのはニンゲンのせいだ。だから殺す。」
「違うよー！苦しいのはニンゲンさんのせいじゃないよ。僕の身体が元々弱いから…えへへ、頼りないよね。」
「キイロ。ニンゲンはお前のことを大切だなんて思っていない。俺の方がたくさんそう思ってる。ニンゲンは信じちゃだめだ。俺だけを信じろ。」
「ナナシ…僕はね、ニンゲンさんのこともナナシのことも両方大切なんだ。だから…どっち、とか決められないよ。」
「キイロ…お前は馬鹿だ。本当に。」
「むっ！失礼な！」
「馬鹿馬鹿キイロ。帰っちゃえ。」
「えー！もうお話おしまい？」
「キイロが馬鹿だからもうやだ。」
「うーん…ねぇナナシ。」
「…」
「僕ね、昔ずっとひとりぼっちだった。身体の色は目立つし。なにより弱くて弱くて。親兄弟だけじゃなく、仲間にも置いていかれた。」
「…」
「だからね、形はどうあれ、こうやってナナシや他の兄弟達やニンゲンさん達に出会えてしやわせなんだよ。」
「……馬鹿。」
「もー！馬鹿馬鹿言わないでよー！」
「…キイロが駄目って言うなら殺さない。でも、いつかキイロが泣いていたら、容赦しないから。絶対。相打ちになってでも。」
「だからもーそんな怖いこと…」
「キイロ。俺はお前の剣だ。お前が振ろうと思えばいつでも振れるということ、覚えておいてほしい。」
「ナナシ…。まずナナシは重くて持てないよ！」
「む…た…たとえ話だ。」
「へっ！？」




僕はキミを振らないよ。
キミを死なせたくないもの。
でもね、
いつか、キミの力を頼る日が来るかもしれない。
そんな気がする。
それは、キミが死んじゃうってことだよね。
それは嫌だなぁ。
それは嫌だなぁ。


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一級フラグ建築士！

キイロは優しい
優しい
そして、何かに無関心

いい子、とは断言できない。イエスマンだからね。