「…ど…どうしよ…も…しかして…。」
キイロは先程と同じように死体の胸に手を置く、手のひらから伝わってきたのは、
「…生き…返った?…の?」
もしかして挨拶が原因だろうか、それとも本当は生きていたのだろうか。なんだっていい、これは死体なんかじゃない。ここで自分以外動いているはずのないものが、確かに動いている!
「…ねぇ…お…起き…られたりする…?」
キイロは体の底から湧き上がる感情が表情に漏れだしてしまっていることも気にせず、死体…だったものを揺らす。
「…ねぇってば…」
今、自分はなんて気持ち悪い奴なんだろう。死体に話しかけ、肩を掴んで笑いながら揺らしている。腐乱臭は辛いだろう?はやく一緒にここからでよう。そして、お願い。
「お…お友達になってください…!」



死体は手を伸ばしてきた。その手はキイロの胸に。
「…!」
不思議そうにキイロの瞳を見つめる"それ"は、にこりと笑ったように見えた。
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テーマ「人外ファンタジー」
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