▼2012/03/14 02:08

…後日
シャバ…いや、シャルークはスキャンさんをカフェーへ誘った。いつもに増して前髪の分け目はきっちりしており、リボンの長さのズレもない。気持ちが引き締まる…これが…ホワイトデーか…。シャルークはそんなことを思いながら空席を探す…が、ない。満席だ。何故だ、何故今日に限って混んでいる。スキャンさんの顔色を伺い、静かに言った。

「…テイクアウトにしましょう。」

サンドイッチとドリンクを買い、近くの公園へ向かう二人。だがどこのベンチも誰かしら座っている。まずい。シャルークは一人焦っていた。氷が溶けて薄まったドリンクを飲むのも、このまま二人でうろうろし続けるのも最悪だ。どこか…頼む…席を譲ってください…。
背後から自分を呼ぶ声が聞こえた。
振り向くと先にベンチに座りサンドイッチを頬張るスキャンさんの姿が。ふ…流石僕の見込んだ♀だ…。シャルークは気持ちを沈めながらベンチへ向かった。

ベンチに腰を下ろすと、シャルークはすかさずスキャンさんの方を向く。

「わ…渡したいものg」
「ちょっとー!これ頼んだのと違うんだけどー!」
「へっ」
「ねぇー取り替えてきてよーシャルークゥ。」
「ちょ…ま…」

しぶしぶカフェーに戻り品物を取り替えてもらったシャルーク。台無しだ。全てこのカフェーのせいだ。当初とは打って変わって意気消沈なシャルーク。だが今日はこれを渡さなければならない。気合いを入れるため一瞬体中に電流を走らせる。

「なにしてるのシャルーク…」
「…受け取ってください。…その…お…お返しですよ。どうせわかっているんでしょう?」
「…それが?」
「…?はい。……!!」

おかしい。色んな雑誌を立ち読みし、デパートのコーナーも見回り、何日もかけて悩みに悩んで決めた色とりどりのマカロン詰め合わせ。透明な袋にぎっしり入っており可愛らしい黄色のリボンで飾られていたはずのそれは、シャルークの手の中で黒い炭となり、細く焦げ臭い煙を放っていた。

「…しまった…!さっきの電撃か…!!!」

…その後なにがあったかは…二人のみぞ知る…。

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もつ鍋さん宅スキャンさん勝手に動かしましたすいません!!
きっとドタバタホワイトデー!