きかくよう | ナノ

コバルトの過去
2013/01/17(Thu)


コバルトはとても勇敢でした。
コバルトはいつも大声で話していました。
コバルトは争い事を好みませんでした。
コバルトは一族なんてなくなればいいと思っていました。
コバルトはとても勇敢で、そして優しく、彼にとって本当に大切な友達でした。

彼はただの暴れん坊でした。
彼はいつも力任せで、全てを拒絶しました。
彼はコバルトに出会いました。
彼はコバルトの話をたくさん聞きました。
彼は記憶が長く保たないので、何度も聞きました。
暴れん坊の彼は、暴れることをやめました。

これから陸の一族と戦いに行ってくる。すぐ帰る。と言い残し海へ飛び込みました。

彼は待ちました。
彼はコバルトが帰ってくるのを待ちました。
彼はコバルトの名前を忘れないように何度も呟きました。
彼はコバルトの所へ行きたくて、何度も海へ飛び込みました。
彼はコバルトを思い出すためにコバルトの真似を始めました。

彼は少しずつコバルトのことを忘れていきました。

そして自分のことをコバルトと呼ぶようになりました。


コバルトは帰ってきませんでした。



本物のコバルトは水タイプだったんだと思います。周りのみんなが敵に見えていた彼に、相手と仲良くすることを教えました。仲間の大切さを教えました。
なりすました訳じゃない。忘れたくないと願った彼の無意識の最終手段。大切な誰かが、陸との戦いで消えた。でもその誰かが思い出せない。陸を憎んでいる内は忘れない。自分には大切な誰かがいたということを。それは海に飛び込み消えた。名前は…名前は…そう、コバルト。

きっとコバルトが生きていて再び出会えたとしても、?、になると思います。当たり前のようにやっているけど、覚えるって、本来とても大変なことなんじゃないかなぁ。

とかそんなことほざいけるけど結局コバルトはアホなんでそんなね、悲しいとかないんだよね。毎日腹一杯飯食って、身体動かして、寝る!幸せ!




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