とある真夏日。
唸るような暑さだが万事屋には相変わらず扇風機しかない。














神楽ちゃんは「暑い暑い、こんなむさ苦しい所より姐御の家のほうがましネ」と僕の家に行ってしまった。











そう、今この万事屋には僕と銀さんしかいないのだ。






想い人と二人きりというシチュエーションのせいか、緊張で顔が紅潮する。












「新八、どうしたそんなに顔真っ赤にして。あ、まさか銀さんがチューパット吸ってるところみてやらしいこと考えちゃったんですかー?これだから思春期は嫌だねー。」










銀さんはピンク色のチューパットをずっとちゅーちゅーしながらそんな冗談を言ってくる。
僕がどんだけアンタを想っているかも知らないからそんなことを言えるのだろう。










「ちっ、違いますよ!今日は暑いから、その…チューパット食べたいなって。」










すると銀さんは僕の座っているソファーの向かいに座る。











「んだよ…そうならそうって早く言えよな。ホレ。」








そう言いながら銀さんはさっきまで吸っていたチューパットを僕に差し出す。













「え、これは銀さんのだから新しいの一つ貰おうかと…」











「ダメガネのくせに俺のチューパットを一本貰おうなんざ一万年早ェんだよ。テメェはこの俺の食いかけチューパット一口で充分だ。」











ずいっ、と僕に差し出されるチューパット。











これって間接キスだよね?思わぬ展開に顔は更に赤くなっているだろう。











「じ、じゃあ一口もらいますね。」


















ぱくん。








口に広がる冷たさ
余りの緊張に味も何もわかったもんじゃない。









恥ずかしさでとてもここにいられる気分ではなくなり、
「晩御飯の買い物に行ってきます。」
と言い万事屋を出てきた。










「…頭冷やしにいこう」












河原に座って少し落ち着いてからお礼にバーゲンダッシュを買って帰る事にした。









(銀さんの馬鹿、鈍感!)















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銀新です!
両思いです、二人とも気づいていません。
実は鈍感なのは銀さんじゃなくて新八だった。みたいな←


これ銀さん視点でも書いてあるので機会があれば上げたいですね!




20110813
20110920up

あずま



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