今日も万事屋に仕事はなく、俺は椅子に座ってぼーっとしている。






神楽は定春の散歩、新八は晩飯の買い物に出掛けていった。




特にやることも無い、いっそのこと寝てしまおうか。
そうだそうしよう、重たい腰を持ち上げソファに移動しもたれかかり横になろうとした時窓から見慣れた長髪の野郎が室内に入り込んで来た。




「おいヅラ。お前せめて玄関から入ってくるとかできないワケ?」



「ヅラじゃない桂だ。ちと幕府の犬共に追われててだな、少しでいいから匿ってはくれないか?」





有無を言わさずずかずかと部屋に上がり込む。




「おいおい聞いといて俺に拒否権はないってか?」




「ここ数日逃げ回っててろくに寝ていないんだ。横にならせてくれ。」





俺の座っているソファーに近寄り体を倒す。





「おーいヅラー、人の話聞いてますかー?」



「ヅラじゃない…桂…だ。」



話の途中で眠ってしまった。
よっぽど疲れていたのだろう。



頭をこちらに向けほんの少しだけ頭が脚に乗っている。
そしたら桂の髪の毛が目に入る。




「相変わらずキレーな髪の毛だな。」

いつも見ていて女みてーな髪だとは思っていた。
実際に目の前にするとすごく魅力的で触りたい、とそんな思いが俺を支配していく。



どうせ寝てるし少しくらいならこいつも起きないだろう触って見ることにした。


スッ、と指を通してみる。
絡まることなくするすると指が通過した。



「本当に女のみたいだな。」
その触り心地がとても癖になりそうだった。もう少しだけ、もう少しと気付けば何度も何度も撫でていた。



「…そんなに俺の髪が気に入ったか?それならそうと言えばいつでも触らせてやるのというに。」



「ヅラぁ、テメェいつから起きてやがった?」



桂はにやっと笑うと「丁度今だ。世話になったな。」


そう言うと玄関に向かい始めた。



「おいヅラ。」




「ん、なんだ?別れの前にもう一度触りたくなったか?」




「んなんじゃねーよ。…その髪俺以外に触らせるなよ、テメェは俺だけのモンだ。」





その言葉を聞くと桂は満足げに鼻でフッと笑い万事屋をでていった。



「あー俺、あいつにはめられたのかも。」



俺はいつから女だけでなく野郎にまで弱くなったのかね。



手に残るあの髪の毛の感触。




(嗚呼、もう触りたくなっちまったよ。)






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初銀桂にして初投稿
策士なヅラ萌え!
銀さんが桂にべた惚れがいいと思います!!




20110819
20110916up





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