銀新で書いてましたが万事屋です 新八は目の前の男、坂田銀時のこの頃の様子に困り果てている。 先日病院で健康診断を受けてきたらしいのだが近頃の糖分の大量摂取がたたりこのままでは"確実に"糖尿病になると宣告されたらしい。 今まで週に一度食べていいと言われていたパフェが月一になり、銀時はいつもよりまるでダメなオッサンになり下がった。 パチンコばっかりするわ、毎晩深酒してくるわ、小さな事ですぐ神楽と喧嘩するわでろくなことがない。 神楽もすっかり元気を無くしてるし、何よりこのままじゃ銀時の体によくない。 新八はどうにか解決する方法はないかと町を歩きながらいろいろと考えた。 糖分は取らしてはいけない、勿論アルコールも控え目に。 それでいてイライラを抑えなければならない。 いくら頭を捻ってもいい案が浮かばずイライラし始めたその時、目の前にストラップの売っている店を見つけた。 すっかり日も暮れた頃、新八が万事屋に戻る。 晩御飯の食材や生活に必要な物をたくさん買い込んでいた。 「遅かったじゃねーか、ぱっつぁん。何か甘いもの買ってきてくれたんだろうな?」 買い物から帰るといつもこう聞いてくる、買ってくる訳がないのに。 「僕が甘いもの買ってきたら銀さん本当に糖尿病になっちゃいますから」 銀時はがっくしと肩を落とす。 糖分依存と言ってもいい銀時がすでに一週間以上糖分を摂っていない、これは奇跡ともいえるのが顔からは日に日に生気が失われているように見えた。 「そんな銀さんに今日はとっておきのプレゼントを買ってきましたよ。もちろん神楽ちゃんにも」 「何アルか!ダメガネの癖に気が利くアルな!」 「ダメガネは余計だよ、神楽ちゃん。」 銀時も気になったようでソファに寝転がっていた体を起こす。 「はいっ」 銀時と神楽に渡された物はストラップだった。 神楽のはピンク色の和菓子の、銀時のはみたらし団子の形をしたものだった。 「銀さん最近ずっとイライラしててどうしたら元気を出してくれるか考えてたんです。で、今日町を歩いてたらそれを見つけたんです。食べられないけどせめて気持ちだけでも楽にしてあげられたらなあって」 「銀ちゃん、私最近銀ちゃんと喧嘩ばっかして申し訳なかったアル。銀ちゃんも大変なんだもんネ。もう少し気つかうヨ」 神楽も銀時の事を心配している。 何かしてあげなくちゃと考えても何をしていいのかわからなくて銀時に当たっていた面があるらしい。 そんな新八と神楽を見て銀時は二人の頭をわしゃわしゃと撫でる。 「いろいろすまねーな。んじゃ、新八に貰ったこれで早いとこパフェ週一で食べれるようになるわ」 「銀さん、甘いものやめようとは思わないんですね…」 そんなことを言いながらも新八や神楽の顔には笑顔が溢れる。 万事屋は言葉だけでは言い表せない絆で強く繋がっている。 ――――――――――――― 銀新で書いてたんですけど万事屋ですね(笑) 銀新でありつつ万事屋という大切な絆は変わらないっていうのが理想です! 20111207 あずま ←→ |