※42巻ネタバレ有
























怪我で入院する副長。
彼が命令したのは旦那をもう一度洗えというものだった。


池田屋の事件や桂と関わり、何を考えているのかわからない旦那はとても怪しい。


さらに鉄の一件の時に旦那が言った一言が土方さんの中にまた疑いの念を抱かせたのだろう。


早いとこ済ませてしまおうと俺はすぐに潜入することにした。






屋根裏に忍び込む。
新八君とチャイナさんの姿は見受けられない。


肝心の旦那はソファーに寝転がりジャンプを読んでいる。


しばらく動きもなさそうなので少し気を緩める。



しかしそのせいで旦那の手が彼の愛刀にかけられていることに気付くことができなかった。







「ぐばっ!」

旦那の振り上げた木刀が俺の顔面にクリーンヒット。

バランスを崩してそのまま木刀によって空いた穴に落ち、旦那に背を預ける形になった。


「なんだあの女かと思ったら山崎君じゃん。昼間から野郎の寝顔見て楽しいかい?税金泥棒さんよ。」


「いやストーカーと一緒にせんで下さい。大体ここにいたのはそういうんじゃなくて任務ですか…。」




しまった。
完全に任務であるとばらしてしまった。
これならストーカーと間違われていたほうがまだマシだった。



逃げるか。
体を起こそうとするが動かない、何故?



あー、この首に巻き付けられてる腕、旦那のだ。


「で、なんの任務でジミーはここに潜入してたのか詳しーく教えてもらおうか?」


「もし教えられないと言ったら…どうします?」



「そしたらアレだ。ジミーが言うまでこのまま離さない。」


ぎゅーっと抱きしめられる。

男の俺が言うのもどうかと思うがすごく逞しくて男らしい腕。



「旦那ァ、俺今日中に帰らなきゃ副長にどやされちゃうんで。なんかそれ以外のことじゃダメですかね?」

「何、ジミーは目の前に俺というものがありながら土方君の話をするわけ?」


ちらりと旦那の顔を覗き見ればいつになく真剣な顔。
話せば話すほど事態は悪化するばかりだ。



「いやぁ、そんなつもりじゃ…。」


「じゃあジミーは今日一日俺の抱きまくらな。こっちだって譲歩したんだから文句はねぇよな?」


俺に反論する隙さえ与えず腕に力を込める。
ついでに脚でも体を挟み完全に密着状態。



「あれ?山崎君すげードキドキしてない?」


やべっ、ばれた。
恥ずかしくて言葉も返せなかった。





旦那はなんでもお見通しだ、俺なんかが太刀打ちできる相手じゃないな。



旦那が寝たのを確認するとするりと腕から抜け出す。
時間ももう遅くてどっちにしろ副長に怒られるのは確実だ。



もう少し余韻に浸りたくて旦那の寝顔を見つめる。
すやすやと眠るその顔はとても綺麗だった。


「次忍び込んだら向かい合わせで寝てもらうからな。」



「起きてたんですか。」



「そんなに見つめられたら起きるって普通。」


「すいませんでした。そろそろ新八君たちも帰ってくる頃だろうし帰ります。」


「おう、またな。」






先程までの出来事を思い出して少しにやにやしながら、副長の入院する病院へと足を急がせたのであった。










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まとまりなんていつもないけどいつになくひどい。

山崎は嬉しい事があったりするとにやにやしちゃう、というか顔に出やすかったらかわいいと思います!

自分がお話を書くと付き合ってるか付き合ってないかがわかりにくいですね>>
今回は銀→←山だけどまだくっついてはいないという意識で書かせていただきました。

説明しなくてもわかるように書きたいですね\(^o^)/






20111115
あずま




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